フォワードコンバータ設計計算機
大電力・高効率。エネルギーを「そのまま」伝える技術。
設計パラメータ結果
パソコンの電源ユニットや通信機器の基地局電源など、数十ワットから数百ワットの中容量電源で広く採用されているのが「フォワードコンバータ (Forward Converter)」です。
フライバック方式と似ていますが、決定的な違いは「スイッチONの瞬間に、トランスを通じて二次側にエネルギーを伝送する」点です。フライバックが「バケツリレー(貯めてから渡す)」なら、フォワードは「ホース(直接流す)」です。そのため、二次側にはエネルギーを平滑化するための大きなインダクタ(チョークコイル)が必要になります。
本記事では、フォワード方式の特徴、リセット回路の重要性、そして出力インダクタの選定手法について、設計者の視点から解説します。
1. フォワードコンバータの基本動作
回路構成は「降圧チョッパ(Buck Converter)」にトランスを入れて絶縁した形に近いです。
- ON期間: 一次側FETがONになると、トランスを通じて二次側に電圧が発生し、ダイオードD1を通ってインダクタLと負荷に電流が流れます。同時にインダクタLに磁気エネルギーが蓄えられます。
- OFF期間: FETがOFFになると、二次側からの供給は止まりますが、インダクタLが電流を維持しようとし、還流ダイオードD2を通じて電流が流れ続けます(チョークコイルのエネルギー放出)。
2. トランスの磁気リセット
フォワード方式の最大の課題は、トランスの励磁エネルギーの処理です。ON期間中にトランスのコアに溜まった磁束を、OFF期間中にゼロに戻さないと(リセットしないと)、磁束がどんどん積み重なり、数サイクルでコアが飽和してFETが破壊されます。
これを防ぐために、リセット巻線(Tertiary Winding)やRCDクランプ回路、あるいは2石式(Two-Switch Forward)などの構成がとられます。最大デューティ比を0.5以下に制限するのは、この「リセット時間」を確保するためです。
3. 出力インダクタ (Lo) の計算
フォワードコンバータの設計で最も重要なのが、出力段のLCフィルタです。インダクタの値 $L_o$ は、許容するリップル電流 $\Delta I_L$ によって決定されます。
`L_o = ((V_{out} + V_f) × (1 - D_{min})) / (\Delta I_L × f_{sw})`
ここで、$D_{min}$ は入力電圧が最大の時のデューティ比です。リップル電流を大きくしすぎると出力コンデンサの発熱が増え、小さくしすぎるとインダクタが大型化し、過渡応答が悪くなります。通常は定格電流の20〜40%程度をリップル分として設計します。
4. フライバックとの使い分け
100W未満なら部品点数の少ないフライバック、それ以上で効率や低ノイズが求められるならフォワード、さらに大電力ならブリッジ方式と使い分けるのが一般的です。フォワードは出力リプルが小さく、安定したきれいな電源を作りやすいのが魅力です。
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