熱伝導計算機 (フーリエの法則)
物質内部を高温側から低温側へ移動する熱の速度を計算します。
計算結果
熱伝導(Conduction)とは?
熱の伝わり方には「伝導」「対流」「放射」の3つの種類がありますが、この計算機で扱うのは「伝導(Conduction)」です。 伝導とは、物質内部で分子や原子の振動が隣へ隣へと伝わっていく現象です。 熱いお茶にスプーンを入れると、持ち手まで熱くなるのが典型的な例です。 金属のように自由電子を持つ物質は熱を伝えやすく(良導体)、木材や空気のように自由電子が少ない物質は熱を伝えにくい(断熱材)性質があります。
フーリエの法則
定常状態における一次元の熱伝導は、フランスの数学者ジョゼフ・フーリエによって定式化された以下の式で表されます。
$$ Q = k \cdot A \cdot \frac{\Delta T}{d} $$
- Q (Heat Transfer Rate): 単位時間あたりに移動する熱量 [W, ワット = J/s]。
- k (Thermal Conductivity): 熱伝導率 [W/(m·K)]。物質固有の値。数値が大きいほど熱をよく伝えます。
- A (Area): 熱が通過する断面積 [m²]。広いほどたくさんの熱が通ります。
- ΔT (Temperature Difference): 両端の温度差 [K または °C]。温度差が大きいほど熱は速く流れます。
- d (Thickness): 距離や厚さ [m]。厚いほど熱は伝わりにくくなります(式では分母に来ます)。
主な物質の熱伝導率 ($k$)
熱伝導率は物質選びにおいて極めて重要なパラメータです。
| 物質 | 熱伝導率 W/(m·K) | 用途・特徴 |
|---|---|---|
| ダイヤモンド | 1000〜2000 | 最強の熱伝導体。宝石鑑別にも利用される。 |
| 銅 | 398 | ヒートシンクや調理器具によく使われる。 |
| アルミニウム | 237 | 軽くて熱伝導が良い。放熱フィンに最適。 |
| 鉄 (炭素鋼) | 約 50 | 金属の中では比較的低い。 |
| ステンレス鋼 | 15〜20 | 金属としては非常に熱を伝えにくい(魔法瓶に使われる理由)。 |
| ガラス | 約 1.0 | 断熱性はそこそこ。 |
| 木材 | 0.1 〜 0.2 | 手で触れても冷たく感じない(体温が奪われにくい)。 |
| 発泡ポリスチレン | 0.03 〜 0.04 | 優れた断熱材。 |
| 静止空気 | 0.026 | 実は最強クラスの断熱材だが、対流するため封じ込める必要がある(ダウンジャケットの原理)。 |