血行動態計算機 (Hemodynamics)
循環器管理に必要な主要パラメータを計算します。
計算結果
血行動態(Hemodynamics)とは?
血行動態とは、血液が体内を循環する際の物理的な力学のことです。 心臓がポンプとしてどれくらいの能力を発揮しているか(心機能)、血管がどれくらい締まっているか(血管抵抗)、そして体液量は十分かを見極めるために、ICU(集中治療室)や手術室では様々な指標がモニタリングされます。
主要パラメータと計算式
1. 平均動脈圧 (MAP: Mean Arterial Pressure)
臓器への血流を維持するための実効的な圧力です。収縮期だけ高くても、拡張期が低すぎると臓器灌流は保てません。
正常値: 70〜105 mmHg
2. 脈圧 (PP: Pulse Pressure)
収縮期血圧と拡張期血圧の差です。血管の硬化や一回拍出量の目安になります。
正常値: 30〜50 mmHg
3. 体血管抵抗 (SVR: Systemic Vascular Resistance)
左心室が血液を拍出する際に受ける「後負荷(Afterload)」の指標です。末梢血管が収縮すると上昇し、拡張すると低下します。
計算には心拍出量 (CO) と中心静脈圧 (CVP) が必要です。
正常値: 800〜1200 dynes·sec/cm⁵
4. 心拍出量 (CO) と一回拍出量 (SV)
COは1分間に心臓が送り出す血液量、SVは1回の拍動で送り出す量です。 この計算機ではCOが入力されない場合、簡易的に推定する機能はありません(COは通常、肺動脈カテーテルや心エコーで測定する値であるため)。 COが入力された場合のみ、SV ($CO / HR \times 1000$) や SVR を計算します。
臨床での活用
例えば、ショック状態の患者において、血圧が低い原因が「心臓が動いていない(低CO)」のか、「血管が開いてしまっている(低SVR)」のかを見極めることは治療方針(強心薬を使うか、昇圧剤を使うか)決定において極めて重要です。